リテナー契約とは?PR業務を強力サポートする契約の魅力と最適な企業の特徴

2025.02.16

広報(PR)

近年、SNSやデジタルツールの普及により、広報・PR活動は多様化しています。効率よく進めて効果を最大化するには外注によるサポートが必須と言えるでしょう。外注する際に注意すべきなのが契約内容です。今回は多くの企業が採用する「リテナー契約」について解説します。

近年、SNSやデジタルツールの普及により、広報・PR活動は多様化しています。効率よく進めて効果を最大化するには、外注によるサポートが欠かせません。しかし、外注を検討しているものの、どのようなサポートが自社に最適なのか、契約方法やその内容について迷う方も少なくありません。

広報・PR業務の外注において、契約内容をしっかりと選定することは、期待する成果を得るうえで非常に重要です。この記事では、多くの企業が採用する「リテナー契約」に注目し、その特徴や魅力、どのような企業に最適なのか詳しく解説していきます。

リテナー契約とは継続的にPRや広報業務をサポートしてもらう契約方法

リテナー契約とは、広報やPR活動を継続的にサポートしてもらう契約方法の1つです。広報・PR業務を外注する際には、リテナー契約以外にも、単発のスポット契約や短期的なプロジェクト契約など、さまざまな契約形態が存在します。

各契約方法には、それぞれ異なる特徴や魅力があり、自社の目的や課題に合った選択をすることが成果を上げるカギと言えるでしょう。ここでは、リテナー契約の概要や他の契約との違いを踏まえながら、そのメリット・デメリットについて解説します。

リテナー契約のメリット

リテナー契約の最大のメリットは、広報・PR活動を長期的かつ一貫してサポートしてもらえることです。継続的な契約によって、企業のブランディングやPR戦略を深く理解したパートナーとともに活動を進められるため、短期的な施策だけでは得られない効果が期待できます。

また、突発的な対応や市場の変化にも柔軟に対応してもらえることも大きな魅力です。たとえば、メディアから急な取材依頼が入った際や、ネガティブな話題が発生した際にも、迅速かつ的確なサポートを受けられます。

さらに、広報業務をプロに任せることで、社内の負担を軽減し、スタッフが本来の業務に集中しやすい環境が整います。こうした点から、リテナー契約は、中長期的な広報計画を持つ企業にとって最適な契約と言えるでしょう。

リテナー契約のデメリット

リテナー契約には、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。最も大きな課題は、費用が継続的にかかることです。月額契約が基本となるため、短期間で成果を求める場合や、予算が限られている場合には負担に感じる可能性があります。

また、契約内容が広範囲にわたる場合、サポートの優先度や具体的な範囲が曖昧になることもあります。これにより「期待していた成果が得られない」と感じるリスクが生じる可能性があります。

さらにリテナー契約では、一定期間の契約が求められるため、早急な見直しや中断が難しいケースもあります。そのため、契約前にサポート内容や目標を明確にし、自社の広報計画と合致しているかを慎重に確認することが重要です。

リテナー契約と一般的なPRコンサルとの違い

リテナー契約と他のPRコンサルの最大の違いは、サポートの期間と関与の深さにあります。リテナー契約は、継続的に広報・PR活動をサポートしてもらえる契約方法で、企業戦略に深く関わりながら中長期的な成果を目指します。

一方、他のPRコンサルは、短期間で特定の課題解決を目的とするケースが多く、限定的なサポートにとどまります。また、リテナー契約では定期的なミーティングやレポートを通じて計画を調整し、変化の多い市場にも柔軟に対応できます。

これに対し、一般的なPRコンサルは、スポット的な施策や特定のプロジェクトに集中してサポートを行うのが特徴です。さらに、リテナー契約ではブランド価値の向上や一貫した戦略の実施が期待されますが、一般的なPRコンサルは即効性のある結果や短期的な目標達成にフォーカスします。

リテナー契約が最適な企業

リテナー契約には、他の契約方法にはない特徴や魅力があります。PR・広報活動の効果を最大化するためには、自社の目的や体制に適した契約方法を選択することが非常に重要です。

ここでは、広報・PR活動において、リテナー契約が最適と言えるのはどのような特徴を持つ企業なのか、具体的に解説します。

定期的かつ一貫した広報活動が必要な企業

定期的で一貫した広報活動が必要な企業にとって、リテナー契約は最適な選択肢と言えます。たとえば、年間を通じて定期的に新製品を発表する企業や、ブランドイメージを継続的に向上させたい企業では、一貫性のある広報戦略が欠かせません。

リテナー契約では、パートナーとなるPR会社が企業の方針やブランド戦略を深く理解し、計画的に広報活動を進めます。これにより、短期的な施策だけでは達成しづらい中長期的な目標も効果的に実現可能です。

広報担当が不在または兼任で余力が不足している企業

広報担当者が不在または、他の業務を兼任しており、中長期的な広報活動が難しいような企業にもリテナー契約が最適です。

リテナー契約であれば、パートナーであるPR会社が企業のリソースなどを把握したうえで、柔軟に広報業務をサポートしてくれます。専門的な知識とノウハウを持つパートナーが代わりに活動を進めることで、限られたリソースでも広報効果の向上を目指せます。

変化の多い市場でタイムリーな対応が求められる企業

変化の多い市場で競争力を保つためには、タイムリーな広報対応が欠かせません。特に、業界動向が激しく変化する中で新製品をリリースする企業や、消費者トレンドに迅速に対応する必要がある企業では、計画的かつ柔軟な広報活動が求められます。

リテナー契約では、PR会社が市場やトレンドの変化を常に注視し、状況に応じた最適な広報施策を提案してくれます。また、急な取材依頼やトラブル発生時にも迅速に対応してもらえるため、企業の信頼性やブランド価値を守るうえでも大きなメリットとなります。

広報危機管理や企業リスク対策に力を入れたい企業

広報危機管理や企業リスク対策に力を入れたい企業にとって、リテナー契約は頼れる選択肢と言えます。SNSの普及により、企業に関する情報が瞬時に拡散される近年においては、リスク管理の重要性が一層高まっています。

特に、ネガティブな話題が拡散された場合には、迅速で適切な対応が企業の信頼性を左右します。リテナー契約では、PR会社が企業の日頃の状況を把握し、リスク発生時の対応プランを準備しているため、緊急時にもスムーズな対応が可能です。

また、PR会社によっては、定期的に広報危機管理に関する社員への教育なども実施しています。

長期的な信頼関係を重視し、外部パートナーを必要とする企業

長期的な信頼関係を重視して、外部パートナーを必要とする企業にとって、リテナー契約は非常に有効です。たとえば、継続的にブランド価値を高める活動や、中長期的な後方戦略を計画的に実施するには、企業の方針やビジョンを深く理解したパートナーの存在が欠かせません。

リテナー契約では、PR会社のスタッフが単なる外注先ではなく、企業の一員のように密接に関わります。これにより、長期間にわたる一貫性のある広報活動が可能となり、効果的なブランド構築や市場での認知度向上につながります。

企業とPR会社の間に信頼関係が築かれることで、より柔軟かつ的確な広報活動を展開できるようになるでしょう。

リテナー契約以外の契約が最適な企業

リテナー契約は中長期的な広報戦略に適していますが、他の契約形態がより効果的な場合もあります。たとえば、以下のような企業には、リテナー契約以外が最適と言えます。

  • 単発のキャンペーンやイベントを実施したい企業

    スポット契約により、特定の施策を集中してサポートしてもらう方法が最適。短期間で成果を求めるようなケースに有効。

  • 特定の課題解決や短期的な広報支援が必要な企業

    プロジェクト契約で、期間や目標を限定したサポートを受けることで、効率的に課題を解決できる。


  • 新製品やサービスの発表などでメディア露出を増やしたい企業

    プレスリリース配信代行などを活用すれば、迅速かつ的確にメディアに情報を届けられる。ただし、これが継続的に続く場合は、リテナー契約の方がおすすめ。

このように、自社の広報ニーズや目標に応じて、最適な契約形態を選ぶことが成功へのカギと言えます。それぞれの特徴を把握し、必要に応じて適切な形態を選択しましょう。

リテナー契約によりサポートしてもらえる業務内容

リテナー契約の内容や特徴について理解できたものの、具体的にどのようなサポートが受けられるのかが分からず、広報活動のイメージが湧かないという方も居るでしょう。リテナー契約では、各企業の課題や目標に応じて、柔軟なサポートを受けられます。

ここでは、リテナー契約によりサポートしてもらえる主な業務内容を具体的に解説します。

メディアリレーションズ

メディアリレーションズとは、企業がメディアと良好な関係を築き、情報発信や取材対応をスムーズに進めるための業務です。具体的には「プレスリリースの作成・配信、メディアへの情報提供、記者発表会の企画・運営」などが含まれます。

たとえば、新製品のリリース発表時には、PR会社がプレスリリースを作成して、ターゲットメディアに配信し、取材対応やフォローアップまで行います。また、記者会見やメディア向けのイベントを開催し、直接情報を伝える場を設けてもらうことも可能です。

広報戦略の立案

広報戦略を進めていくためには、企業の目標やブランドイメージに基づいて、効果的な広報活動を計画・設計する必要があります。具体的には「年間広報計画の策定、ターゲット層の設定、メディアやSNSの活用方針の決定」などが含まれます。

たとえば、新製品の認知度を高めるためのキャンペーンを計画する際、PR会社が市場分析を行い、適切なメディアやSNSチャンネルを選定します。また、ブランドイメージを強化するために、長期的な広報施策について提案を受けることも可能です。

このような戦略的なサポートにより、広報活動が場当たり的な対応ではなく、一貫性を持った効果的な展開が可能になります。

ブランド価値の向上

ブランド価値の向上では、企業や製品の信頼性や魅力を高め、消費者に選ばれる存在になるための広報活動を行います。具体的には「ブランドメッセージの明確化、成功事例の発信、メディア露出を通じたポジティブなイメージの構築」などが含まれます。

たとえば、新たなブランドメッセージを浸透させるために、PR会社がメディアやSNSでの一貫した発信をサポートします。また、顧客や取引先からの信頼を得るために、成功事例や受賞歴を効果的に広める施策の提案も可能です。

危機管理対応

危機管理対応では、企業がネガティブな話題やトラブルに直面した際に、適切に対応してブランドや信頼を守ります。具体的には「リスク発生時の対応策の準備、メディアへの公式コメントの作成、トラブル対応後のイメージ回復施策」などがあります。

たとえば、不測の事態が発生した場合、PR会社が即座に状況を把握し、メディア対応の方針を提案します。また、消費者や取引先に向けた謝罪文や声明文を作成し、正確かつ迅速に情報を伝えるサポートを受けることも可能です。

危機管理対応を徹底することで、被害を最小限に抑えつつ、信頼回復やブランド価値の維持ができます。

広報スキルの向上支援

広報スキルの向上においては、企業内の広報担当者や関係者が効果的に業務を進められるよう、知識やスキルを高める教育などを実施します。具体的には「広報研修の実施、メディア対応のトレーニング、各種業務のノウハウ共有」などがあります。

たとえば、広報初心者向けに、メディアリレーションの基本やSNS活用術を学べる研修を実施することがあります。また、重要な記者会見やインタビュー前に、PR会社が模擬練習を行い、適切な発言や振る舞いを指導することも可能です。

PR会社はPR・広報サポート実績が非常に豊富で、さまざまな業界への支援で培ったノウハウを吸収できます。

リテナー契約の費用相場

リテナー契約の費用相場は、契約内容やサポート範囲によって大きく異なります。一般的な相場としては月額30〜100万円程度が目安です。広範囲な業務や大規模なプロジェクトを含む場合には、それ以上の金額になるケースもあります。

契約内容としては、メディアリレーションズや広報戦略の立案、ブランド価値の向上、危機管理対応などに関する業務が幅広く含まれるのが一般的です。ちなみに、リテナー契約ではなく、単発で各業務をPR会社に依頼した場合の相場は、以下の通りです。

  • プレスリリース記事の作成:3~5万円

  • メディアリレーションの構築:10~30万円

  • イベントの企画や運営:20~50万円

  • 危機管理広報:30~100万円

広報業務の外注相場や内製化と比べたメリット・デメリットに関しては、下記記事で詳しく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。

関連記事:広報業務を外注すべき?内製化と比べたメリット・デメリットや費用相場を解説

リテナー契約を結ぶ際のポイント

PR代行会社とリテナー契約を結ぶ際には、期待した広報効果を最大限に得られるよう、いくつかのポイントを意識することが重要です。

何も考えずに外注先を決めて契約してしまうと、自社の目標と契約内容が合わず、十分な成果を得られなかったり、業務がスムーズに進まなかったりします。ここでは、リテナー契約を結ぶ際に特に注意すべきポイントを解説します。

契約前に自社の目標を整理する

リテナー契約を結ぶ前に、自社の目標を明確に整理することが非常に重要です。広報活動は、目的や方向性がはっきりしていなければ、効果を発揮しにくく、外注の成果も十分に得られません。

「ブランド認知を高めたい」のか「新商品の売上を伸ばしたい」なのか「メディア露出を増やしたい」のかによって、必要な広報施策は大きく異なります。また、方向性だけでなく、具体的にどのような結果になったら目標達成とするのか、具体的なゴールも決めておくようにしましょう。

目標を整理することで、PR会社に適切な方向性を示せるだけでなく、必要な施策やリソースを明確化できます。

契約内容を詳細に確認する

リテナー契約を結ぶ際には、契約内容について詳しく確認しておくようにしましょう。曖昧なまま進めてしまうと、期待していたサポートが受けられず、不要なサービスにコストがかかる可能性もあります。

また、PR会社によって対応している業務範囲や得意としている実績が異なるため、それらを理解したうえで依頼先を検討することも重要です。自社が求めるサポート内容とPR会社の強みが一致しているかを確認することで、より効果的な契約が可能になります。

費用対効果を検討する

リテナー契約を結ぶ際には、費用対効果を慎重に検討する必要があります。広報・PR活動は目に見える成果が出るまで時間がかかりやすいため、費用が効果に見合うかを長期的な視点で判断することが重要です。

特に、リテナー契約は月額で継続的なコストが発生するため、どの業務に対してどれだけのリソースを割いてもらえるのか確認することがポイントです。さらに、PR会社によって得意分野や実績が異なるため、自社の広報活動に合ったサポートが提供されるかも検討材料になります。

費用対効果を正確に把握することで、リテナー契約が自社の成長にどれほど貢献するかを見極めやすくなります。

リテナー契約を結ぶ流れ

リテナー契約を結ぶ際には、スムーズな進行と期待する効果を得るために、事前準備から契約締結、業務開始までの流れを把握しておくことが大切です。

ここでは、提案依頼の作成からサポート業務開始までの具体的な流れを解説します。

提案依頼(RFP)の作成

リテナー契約を成功させるための第一歩は、提案依頼の作成です。PR会社に対して自社の広報目標や求めるサポート内容を明確に伝えるための重要な書類です。これをしっかりと作成することで、PR会社からの具体的で的確な提案を受け取れます。提案依頼には、以下の項目を取り入れましょう。

  • 会社概要と業界情報:自社の特徴や現在の広報状況を共有する

  • 目標や課題:ブランド認知の向上など、期待する成果を具体的に記載する

  • 希望するサポート内容:プレスリリース作成や運営、危機管理対応などを具体的に記載する

  • 予算や期間:現実的な目標を達成するために、目安となる予算や契約期間を記載する

提案依頼を作成する際は、自社の現状や課題を正確に把握し、それに基づいた具体的な要望を盛り込むことが大切です。

契約先候補の選定

提案依頼(RFP)を作成した後は、自社に最適なPR会社を選定していきます。適切なサポートを受けながら広報効果を最大化させるうえで非常に重要なステップとなります。PR会社を比較する際には、以下のポイントを考慮しましょう。

  • 自社の求めるサポートに合致しているか、対応可能な業務範囲の内容

  • 過去の実績や得意分野

  • レスポンスの早さとコミュニケーションの相性

PR会社を絞り込む際には、提案内容だけでなく会社の規模や実績、相性などを総合的に比較しましょう。

関連記事:広報代行・PR会社ランキング|会社を選ぶポイントについて

具体的な提案内容の確認

サポートを依頼するPR会社を絞り込んだ後は、PR会社からの具体的な提案内容を確認していきます。これにより、自社の目標や期待に合ったパートナーであるかさらに詳しくチェックできます。提案内容を確認する際には、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 業務範囲と優先順位

    提案内容が自社の目標に合っているかを確認する。特にメディアリレーションや広報戦略立案など、重視したい業務が含まれているかチェックする。

  • 具体的な施策と成果目標

    どのような広報施策を実施予定で、その結果としてどのような効果が期待できるのか明確にしてもらう。具体的な目標値を提示してもらうようにする。

  • スケジュールと進行方法

    提案されたスケジュールが現実的で、自社のタイムラインと合致しているか確認する。また、進行状況をどのように報告するのかも重要。

  • 費用の内訳

    提案された費用が適性で、各施策にどの程度リソースが割かれているのか確認する。また、追加費用の有無などについても質問しておくようにする。

提案内容を詳しく確認し、不明点があれば必ず質問するようにしましょう。これにより、契約後のトラブルを防ぎ、効果的なリテナー契約を実現できます。

契約締結

提案内容の確認を行い、問題がなかった場合は契約を締結します。契約書の内容を細かくチェックしたうえで、双方の認識が一致しているかを確認しましょう。契約書は、後々のトラブルを防ぐ基盤となるため、見落としがないよう慎重に進める必要があります。

特に契約期間や更新条件、業務内容や範囲は詳細まで確認が必要です。期待していた広報効果が得られない可能性もゼロではないため、解約条件やペナルティについても取り決めておくようにします。

サポート業務の開始

契約締結が完了した後は、PR会社のサポートがスタートします。スムーズな業務開始と効果的な広報活動の実現のために、初期段階の準備を進めていきましょう。特に以下の内容については事前に準備しておくようにします。

  • 情報共有のための資料

    自社の製品やサービスに関する情報や過去の広報活動データ、業界特性に関する資料など、業務を進めるうえで必要な情報を用意する。

  • 定例ミーティングの設定

    業務報告や調整のための定例ミーティングを設定し、進行状況や成果を随時確認できる体制を整える。

これらの準備を徹底することで、PR会社との連携がスムーズになり、広報活動を効果的に進める基盤が整っていきます。

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