
調査リリースは通常のプレスリリースとは異なるため、書き方や構成に悩んでしまうでしょう。ただ調査した結果を書いて、自社サービス・製品の訴求をすればいいわけではありません。
本記事では、メディアに刺さるデータのまとめ方や、転載・記事化につなげるための調査リリースの書き方のコツを解説します。他にも、実際に成果が出た事例を紹介しているため、書き方の参考にぜひご活用ください。
まず調査リリースについて理解を深めたい方は、「調査リリースとは?メリットや書き方、注意点、事例、費用などを解説」の記事をご覧ください。

調査リリースの質を高めるうえで、リサーチの精度は重要な要素です。企画から集計までの手順を丁寧に踏むことが、信頼性の高いデータを生み出す土台になるのです。ここでは、リサーチの4つのステップを順に解説します。
最初に取り組むべきは、調査を行う目的とゴールの明確化です。何を明らかにしたいのか、どんな仮説があるのか、調査結果によって誰にどのような価値を届けたいのかを具体的に設定します。目的や仮説が曖昧なまま進めると質問項目にもぶれが生じ、メディアに刺さらないだけでなく、活用さえしづらいデータになりかねません。事前に仮説を立てて、その仮説を立証するためにはどんな質問をすればいいのか、という思考で調査内容を組み立てましょう。
自社の商品やサービスと関連性のあるテーマを選びつつ、社会的な関心事とも結びつけられるかどうかを検討することもポイントです。
企画がまとまったら実際の調査票を作成します。質問が長すぎたり複雑すぎたりすると、回答者の負担が増え、回答精度が低下する可能性があります。1つの質問には1つの論点のみを盛り込み、ダブルバーレル質問(複数の論点が混在する質問)は避けましょう。
また、選択肢に漏れや重複がないかも必ず確認してください。例えば年齢を尋ねる質問であれば、「10歳未満」「10~19歳」「20~29歳」「60歳以上」など、回答者全員がいずれかに該当する区分を設定します。成人対象の調査であれば、「20歳未満」「20代」「30代」のように対象条件に合わせて設計します。
調査票の完成度が、そのまま調査結果の信頼性に直結すると考えてよいでしょう。
調査票が完成したら、回収方法を選定したうえで実施に移ります。インターネット調査は、比較的短期間かつ低コストで一定数の回答を集めやすい手法です。ただし、回答者がインターネット利用者や登録モニターに偏る可能性があるため、調査対象と母集団の違いに注意する必要があります。一方、郵送調査や訪問調査は、対象者や調査内容によって有効な場合があり、目的に応じた使い分けが重要です。
実施時には、調査対象・調査期間・調査機関を事前に明確化しておくことが欠かせません。これらの情報は、後述するリリース本文に必ず記載する項目となります。
回答を回収した後は、データを集計し、視覚的に理解できる形へ整えます。定量調査で得られた数値はグラフ化することで、全体の傾向が一目で伝わるようになります。単純集計に加えて、属性別のクロス集計を行うことで、より深い示唆を導き出せる場合もあるでしょう。
集計結果に矛盾や誤りがないか、複数人でのチェックも忘れずに行ってください。集計ミスは、リリース全体の信頼性を損なう重大な要因になります。また、当然ですが集計結果の改ざんは絶対にNGです。

信頼できるデータが揃ったら、次はメディアに伝わる文章へ落とし込む工程です。調査リリースは、通常のプレスリリース以上に情報量が多くなりがちなため、読者の興味を惹きながら自社サービスへと繋げる態度変容を起こす構成を意識した執筆が欠かせません。ここでは、本文作成における4つのポイントを紹介します。
調査概要は、リリースの信頼性を裏付ける根幹部分です。以下の5項目は、必ず本文中に明記してください。
調査対象:属性具体的に記載する
調査人数:N数(有効回答数)を記載する
調査期間:調査を実施した期間を明記する
調査機関:自社調査か委託調査かを明らかにする
調査方法:インターネット調査、会場調査などの手法を記す
これらの項目が欠けていると、メディア側はデータの出どころを判断できず、記事化を見送る可能性が高まります。調査概要は目立たない部分ではありますが、記者が最初に確認する重要な情報だと捉えてください。
サマリーとは、調査リリースの内容を簡潔にまとめた要約部分を指します。文字数に一律の基準はありませんが、主要な結果を約1分程度で把握できる分量にまとめることが重要です。目安として200~400文字程度にまとめると、多忙な記者でも短時間で内容を把握できるでしょう。
本文が長くなりがちな調査リリースだからこそ、サマリーは記者が調査内容を短時間で把握し、記事化を検討するための重要なポイントです。 数字を用いた具体的な表現を心がけ、読み手の興味を引く言葉選びを意識してください。
本文では、まず調査を実施した背景や理由を明記します。社会問題や時事的な話題と関連づけて説明すると、メディア記者は記事の切り口を見出しやすくなり、記事化される可能性が高まります。
続いて、サマリーで示した結論の詳細を、データに基づきながら順を追って解説していきます。文章量が多くなりすぎないよう、内容を過不足なく整理し、読みやすい分量にまとめることが重要です。ただの調査データの読み上げにならないように、結果から得られた仮説や専門家のコメントなどを適宜入れるのも効果的でしょう。詳細な補足資料は、PDFや外部リンクとして別途用意する方法も有効です。
グラフや図表は、調査リリースにおいて欠かせない要素です。そのまま転載されても違和感のないよう、シンプルで見やすいデザインを意識してください。グラフには「タイトル」「数値」「n数(サンプル数)」を併記します。
複数のグラフを使用する場合は、それぞれに個別の情報を漏れなく記載してください。データの見せ方ひとつで、メディアの転載意欲は大きく変わります。
メディア記者が取り上げたいと感じる調査リリースには、いくつかの共通点があります。データの出どころが明確であること、有効回答数が1,000件以上など一定水準に達しており信頼性が担保されていること、そして世の中のトレンドと連動している、あるいは一般的な認知とのギャップを示している内容であることが挙げられます。こうした要素を意識して企画・執筆することが、掲載獲得への近道です。
メディアは、公平で偏りのないデータを重視します。調査対象が少なすぎたり、特定の属性に偏っていたりすると、信ぴょう性のあるデータとは見なされません。回答者数はできるだけ多く確保し、調査手法や集計方法についても客観性を保つよう努めてください。
今回、「PRIZMA」が行った調査でも、信頼度の重要性が顕著に現れていました。取り上げたい調査リリースについては、40%が「調査の内容に信頼性が担保されている」を選択しました。

また、興味を引きづらい調査リリースについてアンケートでは、58%が「有効回答数が少なく、信ぴょう性に欠ける」を選択しています。

やはり、N数が少ないと「たまたまその結果になったのでは」と思われてしまうでしょう。予算や属性の兼ね合いで1,000以上のN数を担保するのは難しい場合は、200や500という風に少しでも多くの回答を集められると良いです。
調査リリースの本来の目的は、自社のPRではなく読者への情報提供です。自社商品の宣伝を前面に押し出した内容では、メディアは記事化を避ける傾向にあります。生活者や取引先にとって「役立つ情報」であるかどうかを、企画段階から常に問い続けることが重要です。
結果として自社の認知向上につながる構成を意識しつつも、主役はあくまで読み手に置く姿勢を崩さないようにしましょう。
季節のイベントや社会的なトレンドと関連づけたテーマは、メディアにとって企画の切り口を作りやすく、掲載されやすい傾向にあります。年末年始や夏休みといった季節性のあるタイミング、あるいは話題のニュースと連動させることで、記事化の可能性が高まるでしょう。
日頃からニュースやSNSでの話題を収集し、自社の調査テーマと結びつけられないか検討する習慣を持つことをおすすめします。
ここでは、実際に成果を上げた調査リリースの事例を3つ紹介します。詳細な内容は各事例ページをご覧ください。
AIの戦略設計から実装・運用、人材育成、事業化までを一貫して支援するコーレ株式会社様は、AI領域における事業推進において、ブランディング強化とリード獲得を課題としていました。従来は渋谷スクランブル交差点のビジョン広告や展示会出展など、話題性を重視したオフライン施策を中心に展開していましたが、より長期的な信頼構築につながる発信手法を模索していたといいます。
SNSやウェビナーも選択肢に挙がったものの、発信の土台となる自社アセットが不足していたことから、まずは調査による独自データの蓄積を優先する方針を決定。独自データを活用して客観的に情報発信できる調査リリースを導入した結果、生成AIの利用実態やシャドウAIといったテーマでメディア露出を獲得するとともに、営業資料への二次利用も進みました。
導入から約1年間で、累計約1,000件の問い合わせ獲得を達成。加えて、実態データに基づく説得力のある営業トークが可能になったほか、メディア掲載を通じた業界内認知の向上にもつながっています。データに基づく情報発信が、ブランディングと営業活動の両面で成果を生んだ好例といえるでしょう。
▼詳細はこちら
https://www.prizma-link.com/press/case/survey-core
業務管理システム「BizLib(ビズリブ)」を提供する株式会社SMB様は、サービスをさらにアップデートさせる目的で調査リリースを導入しました。市場動向を継続的に把握し、その結果を製品開発に反映させる狙いがあったといいます。
「認知拡大×市場調査」という位置づけで調査リリースを活用し続けた結果、合計100記事に及ぶメディア転載を達成しました。単発の話題づくりにとどまらず、業務管理システムというBtoB領域のテーマで継続的にメディアに取り上げられている点が特徴です。顧客の課題に寄り添ったテーマ設定と、有益性を重視した企画・執筆が、多数の転載につながったと考えられます。
▼詳細はこちら
https://www.prizma-link.com/press/case/SMB
SaaS営業特化型の転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」を運営する株式会社エムエム総研様は、2021年に立ち上げたばかりの新規事業を、中長期的なブランド資産へとつなげる施策として調査リリースを導入しました。
人材業界で働く方を対象にした調査など、ターゲットに近い層への継続的なアンケート実施を通じて、幅広いメディアへの露出と認知拡大を進めています。継続的な調査リリースの配信により、パブリシティ転載数の増加とサービス認知度の拡大を実現した事例です。
▼詳細はこちら
https://www.prizma-link.com/press/case/mmsouken

調査リリースは、社内のリソースだけでも作成可能です。ただし、企画立案から調査設計、ライティング、メディアリレーションまでを一貫して行うには、専門的なノウハウと相応の工数が求められます。
実際に「内製で調査リリースを作成したものの、想定以上に工数がかかったうえ、期待していたメディア掲載や問い合わせにつながらなかった」という声は少なくありません。調査設計の段階でつまずいてしまうと、有効回答数が不足したり、メディアに響く切り口を見出せなかったりする恐れがあります。
一方、専門会社に代行を依頼した場合には、CV(コンバージョン)数やメディア転載数といった成果指標で明確な差が生まれるケースが見られます。豊富な事例をもとにした企画設計と、メディアとの関係構築を強みとするプロに任せることで、限られた予算や人員でも成果を最大化しやすくなるのです。
自社での調査リリース作成に工数対効果の課題を感じている場合は、専門会社への相談を検討する価値があるといえるでしょう。
調査リリースは、正しいリサーチとライティングの手順を踏むことで、認知拡大や被リンク獲得に強力に貢献するコンテンツです。調査概要の明記、有益性を重視した本文構成、そしてトレンドを意識したテーマ選定という3つのポイントを押さえることが、メディア掲載への近道となります。
一方で、企画から集計、執筆、メディアリレーションまでを内製だけで完結させるには、相応の工数とノウハウが必要です。成果を最大化したい場合は、専門会社への相談も選択肢のひとつとして検討してみてください。
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